【古着初心者必見】ヴィンテージとは? 価値が上がるアイテムの見極め方

what is "VINTAGE"

ヴィンテージ 、アンティーク、ユーズド、ブランド古着、レギュラー、デッドストック、リプロダクトなど、洋服をカテゴライズする言葉は意外と多い。

こういったカテゴリーの線引きはニュアンスの部分も多く、ヴィンテージとは何を指し、今後価値の上がるのはどのような物か??ここではそういった疑問、考え方を解決していく。

はじめに

ヴィンテージ家具、ヴィンテージギター、ヴィンテージカーなどファッション業界に限らず、幅広い業界で耳にするようになったが「ヴィンテージ」にスポットを当てて学んでいきたい。
ファッションにおいてヴィンテージをカテゴライズする場合、下記のポイントに注意が必要だ。

  • 年代
  • 判別方法の有無
  • 相場
  • 個体数
  • 状態
  • 生産国
  • 時流

・年代について

ヴィンテージを語る上で重要な要素となるとのは製造された年代である。
まずは似たように使われている言葉がいくつかあるので紹介したい。

(アンティークとヴィンテージ)

時を纏うヴィンテージアイテムと価値には年代の概念は切っても切れない関係にある。
また、その対比として話にあがるのがアンティークだ。

「アンティークは製造されてから100年以上の物を指す」という話を耳にしたことはないだろうか?

この話の元になっているのは1934年、アメリカ合衆国のマッキンリー大統領によって制定された関税に関する法律、もしくは1947年GATT(関税及び貿易に関する一般協定)である。
GATTは言わば世界貿易機関であるWTOの前身組織であり、スイスのジュネーヴに本部を置き世界164ヵ国が加盟しており、世界中の国の約8割以上にあたる

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その中で製造から100年以上の物をアンティークと明確に定義しており、製造してから100年以上経過した物は関税がかからず輸入することができる。
それにより関税や輸出入の規制、貿易の障害をなくし、自由な国際貿易の文化的な発展を促すことを目的としている。

一方で製造から100年経過していない物でも実際はアンティークとして扱われている。

日本語のアンティークという言葉は古代美術品を意味するフランス語の 「l’antique」からきているのだが、アンティークの本場であるユーロ圏の美術館、美術品の修復師は製造から100年以上経過してないものでもアンティークと呼んでいる。

ここで注意が必要だが、アンティークは家具、骨董品、美術品に対して使われるケースが多い。ファッションにおいては服飾雑貨、特にジュエリー系ではジャンルとして存在している。
その他、1930年以前のフランスのインディゴリネンのスモックシャツやワークコートに代表するようなアイテム群もアンティークとして扱われている。

アンティークとヴィンテージまとめ

貿易の関税上の観点でみたアンティークは製造年より100年以上経過した物であるがヨーロッパ国内では美術品としての価値が高ければ100年未満でもアンティークとして扱う。
また、ヴィンテージ の範囲は幅広いがアンティークとなるとジャンルが少し絞られる。

(古着とヴィンテージ)

先日、同僚の女性デザイナーに「あら!その素敵なジャケットはヴィンテージ ?」と声をかけられ「これは古着だね。」と答えた。
彼女の中でその言葉の境目は曖昧だったのか「そう。」とだけ言い残して彼女はその場を立ち去った。

彼女との会話の続きはまた別の機会に話すとして古着とヴィンテージの境界について。
アンティークと近い性質を持つヴィンテージであるが貿易の関税において明確な定義は存在していない。
定義は曖昧であるがeBayやESTY等の海外フリマサイトでヴィンテージとして販売する際には20年以上から販売できるという記事を見かけたことがある。

ファッションにおいてヴィンテージと呼び始める年代は人によって様々だが、製造から約20年あたりからというのが一般的で、市場を見てみても30年くらいという印象である。
業界歴の長い複数名のファッション関係者に聞き取りを行った結果も20-30年くらいからとの回答が多く、業界の慣習として考えても妥当なラインである。

一方、筆者の所有している某ボディメーカーのインナーも20年後にはヴィンテージになるのだろうか?
ならないとは言い切れないが99.9%ならないであろう。
なっていたらそこら中ヴィンテージ だらけである。

ただ、ナショナルブランドだけがヴィンテージ になる訳ではなく、ストアブランドも人気のヴィンテージになることもざらにがある。

※ストアブランド
小売業者が企画販売まで一貫して行うブランド。アメリカだとハウスブランドとも呼ばれ、SEARS(シアーズ)、JC Penney(ジェイシーペニー)、HERCULES(ヘラクレス)、TOWN CRAFT(タウンクラフト)等はブランドしても人気が高い。

小売の自社ブランドなので主にアメリカのマーケットに寄り添ったアイテムが多く日本のブランドと違った雰囲気と面白さが魅力で一点物の宝探し感がある。
日本でいうところのBEAMSやUNITED ARROWSののオリジナル商品というイメージ。

海外フリマサイトで言えば取引数を増やすことが売上につながる手数料商売なので、名もなき古着よりはヴィンテージと銘打った方が体裁も良く付加価値になる。ひいては成約に繋がりやすい側面がある。

先に述べたアンティーク関税の100年に関して言えば、美術やアートに対する文化的な発展を促すことを目的とした組織である一方、営利目的の民間の団体の年数だけの定義を採用するのは少し心許ない。

(古着とヴィンテージまとめ)

年代だけの判断であれば、20-30年くらいからヴィンテージとして扱う。

・年代まとめ

20年というのはあくまで必要条件であり、特に今後価値が上がるという観点でみれば十分条件とは言えない。
製造から2、30年経過しても古着は古着だが、ヴィンテージになる物もある。
80-100年を経過してくれば、アンティークとして扱っている。

古着 < 20-30年 < ヴィンテージ < 80-100年 < アンティーク

・判別方法の有無

洋服には多かれ少なかれ、その時代の時流やストーリーがデザインに刻み込まれることがある。
ヴィンテージと呼ばれるアイテムにはそういう部分で評価が変化しやすい。
あるディテールの存在が年代を特定する証であったりする。
ネームタグの変化、コントラクトナンバー、縫製技術がないことによる独特なディテール等である。

コントラクトナンバーのあるアイテムの記事を読む
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近年だと80sのオールドスクール系が比較的新しいジャンルで高騰している。もちろん古着屋、またセレクトショップ等が相場を作るために仕掛けた部分もあったが、国内だけでなく海外の相場も高騰傾向にある。

スケートカンパニーのパウエルペラルタはもちろん、スティーブ・キャバレロ、トミーゲレロ、トニーホークらのユニークなカリスマ性、ブランディング、受け入れられる時代性、かつて目にした憧れが何十年かの時を超えて手が届くようになった、技術の進歩で情報が共有されたこと、そもそも今の時代服を積極的に買う人たちはパーカやスウェット等の広義でのストリート育ちであることなど、十分すぎるほど理由はある。

ここで着目したいのはタグ、コピーライトによる年代判定の年数判断が可能だということ。

初期はStedmanやDISCUSのボディであれば
70s後半から80sであると大凡判別でき、POWELL PERALTAネームの場合も
プリントでペライチで縫い付けてあれば90sの初期、ループさせて2重になっていれば後期である。
また、ご丁寧にコピーライトにローマ数字の組み合わせ、もしくはアラビア数字で年代がプリントされている。

・判別方法まとめ

年代を推測できるヒントがデザインやタグに組み込まれていること。それにより他の物と差別化でき価値を客観的に説明できる。

・相場

先輩やおじさんが「昔は普通に置いてたのに最近は見なくなったし、あってもすごい値段つけてるよな。買っとけばよかったよ。」と言うのを聞いたことはないだろうか?
その先輩の武勇伝は居酒屋で詳しく聞くとして、アンティークで言うところの美術的価値である。

要するに「現在」人気者であるかどうかであるが。この「現在」というのが曲者である。

最近こんな話を耳にした。
「骨董の世界では物の価値が以前と変化してきている
らしい

骨董品として価値のあった掛軸や壺に値段がつきづらくなっており、バスキア、ウォーホル、キースへリング、ニュースで騒がれているようにバンクシーに代表されるような現代アートの価値が高くなっている。
ここで言いたいのは需要と供給のバランスである。
株などと同じくみんなが欲しいと高くなり、いらないと安くなる。

骨董の例でいうと理由は単純で骨董品をほしい世代が減り、現代アートをほしい世代が増えただけのことだ。
紫式部が絶世の美女の時代があった様に美しいという価値観が変わりつつあるのだ。

ワンスターのローファやチャックトグルなどは今だととんでもない値段だがリリース当時の価値観だとイケてるとは言えず、むしろ少しダサいくらいだった。

そこには有名無名問わずデザイナー(生産者)の存在があり、外観の美しさや、機能美、唯一無二のデザインや拘りがあり、第三者の評価が加わることによって価値が生まれる。
すぐには理解されず、後に評価されることもある。
そういった点は非常にアートのそれに近く、その時代のシーンを表すようなムードを纏っているかも重要なポイントである。

ある程度相場が成熟していると一過性のトレンドで市場で価値が落ち込見づらくなるが、時流というのは多かれ少なかれ存在する。

以前は古着屋によって値段のつけ方に遊びがあったが、ネットのインフラが整った現代ではメルカリ、ヤフオクなどの履歴が残り、ナメック星のスカウターよろしくの精度の高い相場が確認できる。
逆を言うと相場がしっかりできているジャンルは価値が安定しているので初心者でも手を出しやすい。

相場まとめ

市場に溢れている古着の中には今の価値観では価値がなくても今後、相場ができ価値が上がっていく可能性を秘めている。

・個体数

昨今のヴィンテージのトレンドによりニューヨーク、ロンドン、パリなどのファッションをけん引してきた都市でも枯渇状態になってきている。

個体数で解説した相場と非常に密接した関係にあり、簡単にいうとその人気物が何人いるかということである。

世界的に人気のピーナッツに登場するビーグルだって10匹も20匹も登場しては興醒めである。
ピーナッツという大きな括りの中でサブキャラが人気なのは美術的価値が高いからではない個体として数が少ないからである。

希少価値が高いと高値でも買いたいという人が現れどんどん高くなり手放さない。
古い物だと資料的な価値も出てくるのでより出回らなくなる。
もはや青天井である。

一方、注意点としては少なければ良いと言う物ではない。
相場の項の話にあるようにある程度、出回らないと知名度もあがらず、誰も知らない名作となってしまう。もはや相場もヘチマもないので価値はあがり辛い。
また、あるカテゴリーの中で少し違うディテールの物やサンプルなどはレア度も必然的に高くなる。

またヴィンテージには新品の洋服にはないコーディネートに一点足すだけでスタイリングにグッと深みが出る物も多く、大きな魅力の1つでもあり、個性が出せるのでそれを楽しむのも醍醐味でもある。

余談だが、現代アートのダニエル・アーシャムの作品の“西暦3020年にカントー地方で発掘された結晶化したピカチュウ”をご存知だろうか?
ヴィンテージのフィルターを通して作品を見てみると意外と面白い。

まさに現在の人気の物の未来を想像した作品である。

※ダニエル・アーシャムは、「フィクションとしての考古学」をコンセプトに彫刻などの作品を手がけるアメリカ人アーティスト。

・個体数まとめ


個体数は前提として少ない物の方が価値が高い一方で、余りにも少ないものは比較対象がなかったり、判断が難しい。

・状態/サイズ


忘れがちな注意点だが状態とサイズは非常に重要なポイントが2つ。

(状態について)

基本的に状態は良いに越したことはなく、デッドが最高の状態ということになる。
(※デニムなどは独自の経年変化で価値が変わったりもします。)

デッドとはデッドストックの頭3文字をとった言葉で着用していないままの状態や水を通してない状態の物で洋服であれば生地がバキバキの感じを想像してもらうと良い。

元々はDEAD STOCK なので死んだストック、死に在庫ということになる。
アパレルでは店頭から下げて返品する予定の物をデッドと呼んだりすることもある。

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長期間、倉庫に置かれている物が倒産などの理由で長期間放置されていたり、倉庫の奥に眠っていて忘れさられた物である。
まとまって出てくることもあるのでディーラーが客先に同じタイミングで卸すので古着屋を何軒か回って同じ物が出回っていたりするのはそういう理由の場合もある。
また、ハウスの買付などでそのお宅が富裕層の場合、一度パーティで使ってそのままという物もほぼデッドの様な状態で出てくるのでその理由は様々だ。

中には例外もあり、100年以上前のリーバイスなどはボロボロの状態でも100万円単位の高額で取引されたり、ラルフローレンも10cm四方の生地をで買って分解して商品開発に生かす為に同じように高額で買ったりしている。洋服というよりは資料として取引されている。

デッドストックと似た言葉でヴィンテージ物の世界では極めてクオリティの高いものをミントコンディション(mint condition)と呼ぶ。
mintとは『造幣局』の意味でコインコレクター達が造幣局から出たばかりの新品コインを『mint condition』と表現したことに由来している。

(サイズについて)

ここ数年では昨今、ビッグシルエットが一過性のトレンドで終わらず今までのゴールデンサイズが少し大きくなっている。
ヴィンテージコレクターはサイズ関係なく収集していたり方もいるが基本的には一般的に着れるサイズの物が人気。

意外と忘れてはいけないのがキッズだ。レディースの古着市場だと当たり前に存在しているが、日本人と比較しても海外のキッズサイズやボーイズサイズは大人でも意外と着れる物も多い。

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・状態/サイズまとめ

状態は一部の例外を除いてデッドストックなど限りなく使用されていないもの、サイズに感じでも一般的な着用サイズの物が良い。

・生産国

80sあたりから徐々に2000年代をピークに様々なブランドが生産拠点を自国外に持っていった。
それにより本来ブランドの発祥国=生産国という方程式の感覚は薄れた。

古着市場であればbarbourやAquascutumなどアイコン的なブランドでももちろん、イギリス製が人気である。
一方でそれはネームの生産国を見て優越感に浸りながらコーヒーを飲む為の物ではなく、本来はINVERTERE(インバーティア)がOEMでhermes(エルメス)のダッフルコートを縫っていたことが高い技術のある工場として広がっていったように信頼の証として認知されていった側面も垣間見える。
場合によっては生産を国外に持っていくことで品質の低下を招くケースも少なくなかったことも少なくない。

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ballantyne(バランタイン)のカシミヤのニットもスコットランド製の物は古い物でも痩せておらず、クオリティは高い。
アーリーセンチュリーとは言わないまでの近い拘りを感じる物もまだまだたくさんある。

その後、ブランド自体が拝金主義の企業にライセンスを買い取られたりすると訳の分からない商品が市場に溢れかえりブランドとしてのステータス性すら危ぶまれることもある。

一方で昨今、○○製というのが必ずしもマストでなくなってきている側面もある。
理由としは個体数の減少や、他国製の縫製技術の向上、ユーザーの価値観の変化などが考えられる。

・生産国まとめ

基本的にはブランドの発祥国での生産が良い。価値観に変化の兆しがみられる。

・時流

現代の日本では国として成熟してきたことやSNS等の発達により一時代前と比べてもトレンドの要素というのは低くなっている。
高度経済成長後の大量生産、大量消費の時代に終わりを告げ、皆が同じ格好をするよりはそれぞれのスタイルで情報を収集しながらファッションを楽しんでいる。
それでも様々だがトレンドは存在しており、トレンド性が高い物はやはり上下しやすい

サイズ/状態の項目で述べたようなビッグシルエットのトレンドはヴィンテージ にも少し影響を及ぼすこともあり、今の気分にあったサイズから動いていく側面も少なからずあるので注意が必要だが、そういった部分もまた掴めそうで掴めないヴィンテージの魅力であるといえるので、情報の収集だけは怠らない方が良い。

・時流まとめ

ヴィンテージ市場にもトレンドの影響はあり、これだという正解はないので情報収集を怠らないようにする。

最後に

基本的には先に述べた海外のフリマサイトに限らず、世の中は古着よりヴィンテージと呼びたがる傾向にあります。
看板はヴィンテージショップでも取り扱いは現行のメーカー仕入れとレギュラー主体というところもざらにあるのも確かです。
購入者はお店の世界観やテイストに魅力を感じて購入しているので問題はないが購入者としては自分が買ったそれが一体何なのかわかって買った方がよりファッションを楽しめるし、また大切に着て手放す時に同じくらいの値段で売れたら尚良いと思います。

知識がなくても自分の感覚やセンスでおしゃれな人はいくらでもいて、知識やうんちくを着て歩くわけではないのであまり頭でっかちになりすぎるのも本末転倒です。
古着屋を巡ってピンと来た物をただ買うっていうのもヴィンテージの楽しみ方のひとつで、例えばジャンルを絞ってみてそれを磨くというのもオススメです。
意外とそれが他のジャンルの底上げに繋がることも多々あります。

そんな日々を過ごしていきながらあなた自身がグッドヴィンテージな人として成熟していく一助になれると我々も本望です。

今後もゆっくりではありますが、情報を共有していきますので参考にしてもらえると幸いです。